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内容は発行した時点での内容です
 

下村尊則さんインタビュー



ターミナルインタビュー
 第2弾
ひたすらに。貪欲に。

劇団四季 下村尊則さん

 
 
 
写真は『ライオンキング』より
撮影:山之上雅信  C Disney

転載・複製厳禁

 

 

前号から引き続きインタビュー 第2弾

劇団四季の下村尊則さん。幅広い役柄を演じる陰には今までの経験がエッセンスとなって活かされているというのは前号でご紹介した通り。今号も引き続き掲載し、どこか謎めいた雰囲気を持っている下村さんの素顔に、更に迫ります。


プロフィール

★下村尊則(しもむらたかのり)・・・

劇団四季所属俳優。
青森県出身。
1985年『コーラスライン』にて初舞台。
以後、『美女と野獣』 『ライオンキング』 『ユタと不思議な仲間たち』 『スルース』など数々の作品に出演。
劇団からも“劇団随一の個性派俳優”と認められ、最近は2つの作品を掛け持ち出演する日もあるなど、多忙なスケジュールを過ごしている。
今年、入団してから20年目。

 

 

<きっかけは衣裳に憧れ・・・>

小学5年生からブラスバンドに入ってサックスを担当し、練習に明け暮れる毎日だったという下村さん。
始めたきっかけを聞いてみると・・・

「ブラスバンドに入りたいと思ったのは、運動会などで演奏している姿を見て、素敵な衣裳に憧れまして。それまで音楽などをやっていたわけではなかったのですが、衣裳に付いているヒモ飾りにとても憧れて、その衣裳が着たくて入りました」。

演奏の実力も、この小学校は全国大会で一位を取るような優秀校だそうで、下村さんもデンマークで行われた「世界青少年音楽祭」に参加。
そこで見た毛皮の帽子の指揮者の姿が素敵で、そのことが後にバトンの道に進むきっかけとなる。

その後バトンを始め、憧れの華やかな衣裳を着て、数々の大会に参加。
1983年と84年には「全日本バトントワリング選手権大会」優勝、この他「世界大会」では団体の部と個人の部の2回、3位入賞を果たしている。1984年には「全米オープン」で優勝。

それまできっかけは衣裳などに憧れて始めるというケースが多かったそうだが、何かを始めたらとことんやり抜くという下村さんの精神は、このころから養われたもののようだ。


<心に留めておきたい一言>

劇団四季に入団し3年目のある日、『夢から醒めた夢』という作品で大きな役に抜擢された。

「『夢の配達人』という役を舞台稽古の3
日前、突然『やってみろ』と言われました。
それは幕開きに登場し、芝居へ導入する重要な役なのです。
現在公演されているヴァージョンより台詞も多く、出番前にあまりに緊張しきっていると、先生(浅利慶太氏)から『張り切って並にな』と言われました。
そんな状況に『頑張れ』ではなく『並に』と仰る大きさに心打たれました。張り切りながらも、目一杯にではなく平常心を忘れるなと言うことでしょう・・・。それ以来いつも心に留めています」。


<文を書くということ>


最近は、演劇雑誌や劇団四季会報誌などに、エッセイを書くことにも挑戦。

俳優としても“個性派”と呼ばれることが多い下村さんだが、臨場感溢れる描写と親しみやすい文章、おまけに挿絵のイラストもご自身で手掛けるなど、紙面の上でも読んで楽しい「下村ワールド」が生まれた。

「ブラスバンドやバトンに始まり、これまで人前で演技をすることだけをしてきましたが、僕自身の中に書くことを楽しむ自分がいるんだなぁということに気が付きました」。

聞けば、青森での高校時代に学校内の弁論大会に参加し、優勝したこともあるとか。

「高校1年生の時、『私の選んだ道』という論文を書きました。
武者小路実篤の『勉強勉強勉強こそのみが奇跡を生む』という意味の言葉を見つけて、それをモチーフに『バトンの道で自分ができることをやろうと決意し、頑張ったら世界選手権で結果を出せました 。日本の代表になったので、次の学期からは皆さんとお別れして東京で頑張ります』というような内容でしたね。
この時は文章の上手い下手というよりも、書いた内容が伝わって優勝させていただけたのかなぁと思い
ます」。


<目黒について>

下村さんに目黒の印象を尋ねると、かつて白金台に10年ほど住んでいたそうで、目黒駅近郊のことはとても詳しい。

「今でこそ地下鉄が通り、白金台などの駅ができて便利な場所になりましたが、あの頃は恵比寿か目黒の駅まで歩くしかなくて不便なところでしたね。でも、自然教育園が近いのでよく散歩しました。池のそばのベンチに座って一日中、台本を読んだりしたものです・・・」。



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ご要望が多いのですが、残念ながら浜松町付近などでは配布しておりません。ご了承下さい。

(2004年10月3日現在)