劇団四季公演情報


 
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劇団四季が『鹿鳴館』を上演
故・三島由紀夫と親交の深かった
浅利慶太氏が演出







http://www.shiki.gr.jp

写真は11月7日に行われた製作発表にて。
右から劇団四季代表・浅利慶太、出演者の濱田めぐみ、日下武史、野村玲子、広瀬明雄、福井晶一 。
写真下、中央が浅利慶太。

『鹿鳴館』上演に関するお問い合わせは 、
劇団四季東京公演本部 03-5776−6730へ。


公演情報
 
会場 自由劇場
公演日程 2006年1月14日開幕〜3月12日公演分
料金 S席8400円、A席5250円、スチューデントシート3150円




日本の文学史上において大きな功績を残した作家、三島由紀夫氏。
彼の壮絶な最期はあまりに印象的で日本中を驚かせたが、数多くの文学作品を残し、没後も日本の文壇に大きな影響を与えている人物である。この三島氏の作品『鹿鳴館』を劇団四季が上演することとなり、11月7日に製作発表が行われた。三島作品の上演に際し、演出の浅利慶太氏(劇団四季代表)は「とても緊張しています」と語り、三島氏との思い出話を交えながら半世紀に渡る想いと意気込みを語った。


『鹿鳴館』の初演は1956年、文学座20周年を記念して上演された。
23歳だった浅利氏はその舞台を観客として観ており、大きな感銘を受けたという。その後、浅利氏は1964年に三島氏の2つの作品を演出している(いずれも、劇団四季主催公演ではない)。このことをきっかけに、親交が深まったそうだが、
「友達だった僕から言うと三島さんは本当に頭がいいけど、やんちゃな所もありました。三島さんは帝国ホテル(旧館)でよく原稿を書いていて作品の1幕目の部分を書き終えると、読みたいなら読ませてやるって僕の所に電話がかかってくるんですよ。三島さんは僕が読んでいる間、かなりドキドキした面持ちで待っていました。今日この製作発表を開いた帝国ホテルはそんな思い出の場所でもあります。仲良くなったり喧嘩したりの繰り返しでしたが、喧嘩して何ヵ月か口を利いてもらえない時期にあの事件(自殺)が起きてしまいました。それ以来、心の中にいつか三島作品を演出したいという想いがありました。神が宿ったともいうべき名戯曲の『鹿鳴館』を演出するのは身が引き締まる思いですが、今は亡き三島さんが喜んでくれるよう、自分自身を賭けて打ち込みたい作品です。スタッフも三島さんと同世代の人たちを集めました。これから三島さんの作品を次々上演できたら・・・」と浅利氏は語った。


製作発表には主な出演者も登壇した。影山伯爵役にはベテランの日下武史氏が起用され、「三島由紀夫の頭の中にある偏愛から作り出された影山という人物を、不自然に思われないように人間として存在させることの難しさを感じているところ」と語った。影山朝子役の野村玲子さんは「実はせりふ劇で日本の女性を演じるのは初めてです。内に秘めた芯の強さやたおやかさが表現できたら」と述べた。また、清原永之輔役である広瀬明雄氏は「このような作品に出られることは、日本で演劇を志した者にとって、とても嬉しく思う」といい、その息子役(清原久雄)を演じる福井晶一氏は「入団10年目の節目の年にこの作品に出会えて嬉しい」と語った。大徳寺顕子役の濱田めぐみさんは今回がストレートプレイ初挑戦。「やはりミュージカルとは違い、台詞ですべてを伝えるということで集中力がとても重要になってきます。先輩方の胸を借りて全力で頑張りたい」と述べた。

『鹿鳴館』は浜松町駅・大門駅より徒歩7分のところにある自由劇場で上演される。公演日程は2006年1月14日〜3月12日。浅利氏の話にもあったとおりスタッフも三島世代である面々が結集。装置・土屋茂昭、照明・吉井澄雄、衣裳・森英恵、そして音楽は林光が担当している。

 

 




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